ヨ ル ダ ン 地 区
 


3.ヨルダン地区

    地域        オランダ/アムステルダム/ヨルダン地区
    タイプ      改善型再開発
    地区面積    約95ha
    事業段階    事業中
    交通経路    中央駅の西約1km

(概要)
・低所得層や外国人の多く居住する旧市街地西端の地区で、歴史的景観を保全しながら、住宅の修復、建物用途の純化、
 公園、駐車場の整備などを行っている。

・アムステルダムでは、7000近い歴史的建築物が残っており、これらのある中心市街地は1958年以来人口が減り
 続けていることから、その修復によって住宅の水準向上をはかることが課題となっている。

・失業率25%と社会不安が増えている。
・公有地75%、民有地25%、このため世界1人口密度が高い。
・割に地価が安い(25000円/u(土地+建物))。
・運河が多い(子供が溺れると親の責任)。

(街の経緯)
・半円形の部分は、中世から1650年にかけて完成された。
・川のところから街は発生した。
・だんだんに街は広がり、半円形の部分になって行く。この頃、オランダは日本に行って仕事をした(出島を通して)。
・整備されたのが1612年のころ。
・運河のそばに建っていたのが裕福な商人の家であった。
・中心地区に商人が住んでいたが、庭が狭いとか汚い、運河の臭いがする等の理由から新しい運河沿いに住み替えていった。
・他の地区は、区画がきちっとされているが、このヨルダン地区は小さな通りがいっぱい通っている。
・農地用の干害の区画で、この地区が造られて行った。
・17世紀の初めにまだ町が発展している時に、この地区は既に人が住んでいたため、ここを取り壊して開発を進めることが
 面倒になってきたため、この地区は手 をつけられずにそのまま放置された。

・家内工場がぽつぽつ建っていて、住居が加わってきたが、この住居は必ずしも小さいものではなかった。大商人に負けない
 くらいの家も建ってきた。

・19世紀の終わりになると、この地区も非常に混雑してきた。工場や労働者住宅など混在化してきた。
・3つの異なった時期に整備された。

  @20世紀初頭:交通網を整備しようとして運河の一部を埋めた。
  A1930年代:古い建物を整備しようということで整備された。30年代建物もいっぱいある。
   B戦前、戦後の時期に労働者需要により、町に動きがあったが、それが落ち着いたら、郊外へ郊外へと移動する動きがあ
   ったため、1970年代に町の中心部を見直そうということになった。


・どの時点でも権力、金、所有権、政治的要因が関与している。

(プロジェクト)
・Mr.ブーツ(Dr.ブーツ)は市役所側の建築、住居に関する意見を代表している。従って、彼がこの辺の建物をどう見
 るかがたいへん重要である。

・Ms.ベーカーは、このプロジェクトチームのコーディネーターをやっている。
・プロジェクトはヨルダン地区の再開発のための公団。
・1972年に市は各地区にプロジェクトチームを設置し、それによってそれぞれの地区の再開発を行うと市議会で決定した。
・1982年では、12のプロジェクトが設置されたが、ほとんど古い地区で、建物の住居環境の悪い地区に設置された。
・住宅の数も不足していた時期であった。プライベートで賃貸を行っている住居の環境が非常に悪かった。

(市の組織)
・1991年の時点では12のプロジェクトのうち3つのみまだ達成されていない。これに加え、新しいプロジェクトが古い
 地区を取りまく新しい地域に設置された。

・市の課の種類は、都市計画課、不動産課、公共住宅課、建物住宅課。
・ホーチ氏(?)は建物住宅課から来ている。
・スタッフはマネージャー、チェアーマン、コーディネーター、アシスタントから成り立っている。

(基本方針)
・基本方針は、今まである通り道はそのまま残すこと。歴史的なモニュメントを残す。

(諸元)
・地区の特徴、広さは95haある。長さ2km、幅500mの広さを持っている。
・住居とビジネスが混在していたのですが、このプロジェクト計画でそれぞれがはっきりと分かれるようになった。

(経緯)
・1976年から仕事が始まった。チームの中でプロジェクトを分けなければならなかった。理由は、モニュメントが多く
 ある、所有者がたくさんいる、そのため 一括で行うことは不可能であった。

・いろいろと異なった再開発の部分があるのですが、まとめるものはまとめて、同じ建築家で進めて行くことにより建築コ
 ストを下げることができる。

・1972年にゾーニングプランが市の方で決定した。これがこのプロジェクトの法的根拠になる。

(市民との関わり合い)
・ポリシーは市民も一緒に加わって考えて行く。
・市民の中で反対意見があった場合、どの段階からであっても市に訴えることができる。
・収入の低い人達に対して、低家賃で貸せるような開発をしようと思っていたが、最近はいろいろなレベルの人に合わせて
 開発しようという考えに変わってきている。

・再開発をする場合、建物を修復する場合、一旦、他の場所に移動しなければならないが、このプロジェクトではヨルダン
 地区の他の場所に移り住むことが保証されている。


(施工方法)
・土地問題:土地が汚染されている。地下水も汚れている。必要な場合は2m程、土地を取り除いて入れ替えるということ
 をする。

・古い家は全て木製のパイルで支えられており、2つのパイルを結ぶ木製の板がある。
・地下水が一定であれば木製の杭には問題はないが、地下水が上がったり下がったりすると杭が腐ってしまう。
・杭径が15〜16cmであるため、不十分なものもある。20〜24cmくらいないとならない。掘っていくと15cm
 くらいのものが見つかる。これでは支持が足りないということが良く分かる。

・限られたスペースの中で、パイルを打ち込み新しい床を造る。
・このような方法は、コスト的には安い。なぜなら破壊するのは床だけでよいから。
・このような処理をする専門業者がいる。
・土地は沼地のような状態であり、湿気が高く泥が固まったような感じである。
・もし、コンクリートパイルを打ち込むと自重で8mくらい沈んでしまう。
・12mくらいの深さのところに支持層がある。
・支持層の深さは、場所によって異なり、12m〜20mのところもある。
・新しい住宅地区では、コンクリートパイルで20m打ち込むこともやっている。

 
 
再開発計画について市役所の担当者より説明を受ける -050:ヨルダン地区
-049:ヨルダン地区
 
-06:ヨルダン地区
-07:開発区域
 
建物の傷みが酷い
-051:ヨルダン地区 改修された建物
-052:ヨルダン地区
 
ドアと鴨居が平行になっていない 家が傾いている 中庭側に設けられている自転車置き場
-053:ヨルダン地区 -054:ヨルダン地区